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全国にある稲荷神社の総本宮。その根本縁起は「山城国風土記」による秦伊呂具の話より、秦伊呂具が裕福のあまり、餅を的に矢を射たところ、餅は白鳥になって飛び去り、とまった山の峰に稲が生えた。
そして、神として祀られ、伊祢奈利から稲なり、稲荷の社名になりました。古代からの山岳信仰で、神が宿る山として現在も稲荷山(233m)は、信者から神聖視されています。 -
表参道を進むと石段上に楼門があります。この楼門は天正16年(1588)豊臣秀吉が母の病気平癒を祈願し、寄贈した祈祷料1万石にて建立されました。
その祈願文には、母の生命を3年、だめなら2年、それでもだめなら30日の延命を願ったとあります。秀吉の母は4年後の文禄元年(1592)7月に他界しました。祈祷料の1万石は後に5千石に値切られたということです。 -
応仁の乱で一度は焼失しましたが、諸国に勧進して、明応8年(1499)に復興・遷宮となったのが現在の本殿です(重要文化財)。
「打越流造(うちこしながれづくり)」と呼ばれるこの本殿を、側面からふり仰いだ時の雄壮な屋根の曲線美は素晴らしいものがあります。 -
本殿右のある御茶屋は。官営18年(1641)後水尾天皇より拝領の書院風茶屋です(重文)。この御茶屋と庭園はいうなれば修学院離宮のミニ版ともいえます。
通常、一般公開はされておりません。
1.稲荷の朱色
ご本殿、鳥居などに塗られている朱色は、魔力・邪気に対抗する色・権威の象徴を意味し、稲荷大神さまのお力・ご神徳を表す色とされています。
2.キツネ
「狐」は稲荷大神さまのお使い(眷属)とされています。ここでいう「狐」とは野山をかける「狐」ではなく、目にはみえない霊獣のことを呼び、特に「白狐」と呼んでいます。
-狐がくわえたモノは・・・-
「稲荷」と言えば「キツネ」と誰もが思い浮かべるほど、稲荷大神さまとキツネとの繋がりは長くて深い。その起源はどこにあるのか? 稲荷大神さまに仕えていた斎女が神格化され、後にその神域に棲息していた野狐の称号になったとされる説もあります。
さて、ここ伏見稲荷大社の境内にもたくさんのキツネ(眷属)が座っておられます。その狐の口元を良く見ると何かがあることにお気付きになるでしょう。ここではその代表的なものを紹介いたします。
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これはその口に御霊(みたま)をくわえた狐です。これは主に向かって右に座られます。右側の狐は、ほぼこのような玉をくわえています。
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これは口に鍵をくわえた狐です。この鍵は稲荷大神さまの宝物庫の鍵だとも言われております。左側に座られます。
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稲穂をくわえた狐です。五穀豊穣の農耕神であった稲荷大神さまの眷属らしく、たわわに実った立派な稲穂です。左側に座られます。
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これは巻物をくわえた狐です。左側に座られます。この巻物には稲荷大神さまのご神力、ご神徳などが綴られているともいわれております。
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これは特別!何もくわえていない狐!なかなか貴重な狐です!右側に座っておられます。
3.鳥居
神社に行けば必ず目にする鳥居。その神域の入り口を示す門とされています。一説には「天照大神さまが天の岩戸に隠れたとき、常世の長鳴鳥(ニワトリ)を鳴かせたら大神が出てきたので、それ以来、神社にはニワトリが止まる木を造るようになった」とも言われています。現在、伏見稲荷大社神域には大小1万基以上の奉納鳥居があります。
-鳥居をくぐれない訳-よく参拝客の中に「身内に不幸があったから、鳥居はくぐれないんで…」と、鳥居の外側を通っていかれる方を見かけますが、どうして「くぐれない」のでしょうか?身内で葬儀が出た場合「喪中」などといい、俗に「喪に服する」といいます。この「喪中」に当たる人は『その身が清らかでないと考えられ、神様が鎮座する神域「神社」の聖域を汚す為に参拝を慎むべし…』という慣わしがいつしか、「参拝を慎む」→「神社に行かない」→「鳥居をくぐらない」というように変化していったと考えられます。このように神域の門である「鳥居をくぐらず」に「参拝」をする方もたくさんおられるですから、なにかおかしな矛盾を感じます。一般に「喪が明ける」のは四十九日(しじゅうくにち)と言われております。ご不幸があっても2ヵ月後には「鳥居をくぐって」、「参拝」しましょう!
4.千本鳥居
本殿から奥社奉拝所に向かう途中に、TV等でお馴染みの2列の鳥居のトンネルがあります。ここを「千本鳥居」と呼びます。実数は千本には至りませんが、その差は極僅か!以前は鳥居が細かったので1000基あったとか…隙間なく鳥居が立てられたこの参道は「朱のトンネル」の名にふさわしい!
5.おもかる石
千本鳥居を抜けると「奥社奉拝所」に辿り着きます。社殿の背後には「後醍醐天皇の歌碑」と「おもかる石」があります。「おもかる石」とは、石灯篭の宝珠を持ち上げた時の重量感により神意を図る「占い石」です。願いを念じて、宝珠を持ち上げ、自分の予測より軽く持てれば「願いは叶い易し…」、逆に重く感じれば「叶い難し…」。一度お試しを…。
6.根上り松
奥社奉拝所より北に10m程のところにある、松の根を祀った神蹟。「ひざ松」さんとも呼ばれ腰痛やひざ痛の整形外科的信仰がされているところです。このほかにも「根上り」から「値上り」をかけて、証券・金融関係の信仰も厚いところです。
7.熊鷹社
熊鷹社の背後の池を「新池」、通称「熊鷹池」と呼ばれています。この池はまたを「こだまヶ池」とも呼ばれ、池に向かってかしわ手を打ち、その「こだま」が返ってきた方向が吉方、願い事が叶うといわれています。
8.四つ辻
ここでは京都市内が一望できる!晴天で空気が澄んだときには大阪の「ビジネスパーク」の高層ビルを遠くに見ることもできる。古来、大阪城と伏見城とは通信連絡ができたといわれているが、あながち嘘とは言い切れないです。
9.お産場稲荷
安産・子育ての神さまを祀る神蹟。狐と犬はお産が軽いことから、それにあやかるための信仰も生まれました。妊婦の腹帯も「戌の日」を選びます。「狐の日」があれば… お産の前に神蹟の前に灯されたローソクの短いモノを授かって帰りましょう。分娩に入ったらその火を灯すと「短く」済むといわれています。
10.お山巡り
本殿参拝後、稲荷山を巡拝することを、「お山をする」といいます。先に述べた所以外にも「お山」には色々なご利益・不思議がいっぱい!「眼病平癒」、「喉の神さま」、「健康・無薬祈願」などなど…ゆっくり時間をかけて巡るのもおススメです!
11.ヒメシャラ
「ヒメシャラ」とは日本固有のツバキ科の落葉樹で、1日で花を落とすので「一日花」として知られています。ここ稲荷山はその「ヒメシャラ」の自生地でもあります。しかしこの「ヒメシャラ」は主に標高700~1000mの高冷地に自生する植物で、京都府で「ヒメシャラ」が確認されたのは稲荷山がはじめてであり、近畿地方でも奈良県の大台ケ原で自生する程度… 市街地近くの250mにも満たない稲荷山に自生するのは極めて珍しいことです。奥社からお山の参道沿いに約30本が自生しています!探してみるのもイイかも…。