伏見のお稲荷さんと言えば連想されるのが「キツネ」。稲荷山には多くの「キツネ」の石像が祀られていますが、その昔、稲荷大神さまにお供えする傷み難い食べ物として 「油揚げ」は良く使われたそうです。そうして、いつの頃からか「油揚げ」が「キツネ」の好物であるとなってきたともいわれております。その「キツネ」の好物である 「油揚げ」を甘く煮ふくめ、すし飯を詰めた物を、その色と形から「いなり寿司」となりました。伏見稲荷界隈で扱われている「いなり寿司」は、全てと言ってよいほど形 は三角形です。これは「キツネ」の顔や耳をイメージしているとも、稲荷山をイメージしているともいわれています。ここ、伏見稲荷は日本一「いなり寿司」が消費される 本場中の本場!正月、三が日だけで2万5千個を越えるといわれています。お味の方はそれぞれの店が代々受け継がれてきたもので、甘さ加減や口ざわり、具材の種類など、 お店の数だけ味わいがあると言えます。色々なお店の食べ歩き・味くらべをしてみるのもおもしろいかも知れませんね。
助六寿司(すけろくずし)とは「いなり寿司」と「巻き寿司」の入った組み合わせの物を意味しますが、果してその由来は?江戸時代の中期、京の都で男伊達の「万屋助六」 が島原の遊女「揚巻(あげまき)」と心中。この話をもとに歌舞伎が上演されました。遊女の「揚巻」から「アゲ」と「マキ」→「イナリ」と「巻き」になり、「いなり寿司」 と「巻き寿司」の入った組み合わせをその恋仲「助六」の名前がつき、歌舞伎観劇には欠かせないものになったそうです。伏見稲荷参拝、稲荷山散策にも欠かせない一品です!