伏見稲荷の名物・名産 -伏見稲荷のおもろいもん-

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伏見人形

「伏見人形」は、伏見稲荷大社門前でおよそ400年にも及ぶ長きにわたり作り続けられてきた日本最古の土人形と言われ、 全国の土人形にこの流れを汲まないものはないと言われる程、強い影響を与えた土人形の元祖であります。この人形を作る土は、 稲荷山の埴土を採ったもので、これを神棚に置くこと、或いは田にまくことは、稲荷大神さまの近くにいることになり、 その御加護にあずかれるという庶民信仰と結びつき、稲荷みやげの代表的なものとなっていきました。
その作品は、往時の風俗や伝説などを表現したものが殆どで、ユーモアに富んだ面白さ、あたたかい懐かしさ、 素朴さをしみじみ感じさせてくれます。

代表的なものには、「饅頭喰い人形」があります。そのいわれは、ある人が幼児に「お父さんとお母さんとどちらが大切か。」と尋ねたところ、 この幼児は手に持っていた饅頭を2つに割って「おじさん、これどちらがおいしいか。」と即座に問い返したという賢い子供をモデルにしています。 そこから、この人形を部屋に飾っておくと、子供が賢くなる、また、賢い子供が授かりますようにという子宝祈願に用いられています。

また「柚でんぼ」というのは、柚子のかたちをした素焼の蓋物で、昔は子供達のママゴト遊びに、或いは食物を入れる容器に使われていました。 宮尾登美子原作の「序の舞」では、画家の主人公が初午詣の帰りにこの伏見人形を買ってもらい、それを写生してはじめて先生から褒められるシーンが登場します。