お正月・祭事などに神前に供えた餅を「鏡餅」といいますが、では、なぜ重ねた餅を鏡餅と呼ぶようになったのでしょうか。
ひとつには、丸い餅の形が昔の銅鏡に似ていることから。古来から、鏡は神様が宿るところとされていました。
また、鏡餅の「鏡」は「鑑みる(かんがみる)」。つまり良い手本や規範に照らして考えるという意味の言葉にあやかり、
「かんがみもち」とよぶ音がしだいに変化して鏡餅になったのだとも言われています。 さらに、鏡餅の丸い形は家庭円満を表し、
重ねた姿には1年をめでたく重ねるという意味もあるそうです。 鏡餅の起源は、元禄年間の書に、丸餅と角餅を重ねた絵が残されております。
では、「鏡餅の飾り」にはどのような意味があるのか?餅の上にのせる橙(だいだい)は「木から落ちずに大きく実が育つことにあやかって、
代々家が大きく栄えるように」と願った縁起物です。 御幣(ごへい)・四手(しで)は四方に大きく手を広げ、繁盛するように。
紅白の赤い色は魔除けの意味があります。餅の下に敷く裏白(うらじろ=シダ)は「古い葉とともに新しい葉がしだいに伸びてくるので、久しく栄えわたる」
という縁起を担いでいるものです。